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お題SSログ2

友人の誕生日祝いに書いたやつ
……たぶん1年くらい前に……

※らーよの花主お題『楽しそうに ラブつなぎ。』
https://shindanmaker.com/200050


【誕生日】


それは、唐突な要求だった。学校から帰る途中、鮫川の河川敷でくだらないことを話していたときだ。

「よし、プレゼントよこせ」
「へ?」

あんまりにも突然だったので、ついていけない。ぱちくりと目を瞬かせて「お願い説明して」と声に出さないまま主張すると、相棒はどういうわけか満足そうに不敵な笑みを浮かべた。

「今日、俺の誕生日」
「マジで!? えっ、なんで今言うの!? 事前に言ってくんない!? なんも用意してねえよ!」
「まあまあ」

相棒の誕生日なら、めっちゃ盛大に祝うのだってやぶさかではない。生まれてきてくれてありがとうなんて、たぶんこの世で俺がいちばん思ってる。恥も外聞もなくそう主張できそうなくらい俺はコイツの存在に感謝してるし、なくすことなんて今さら仮定でも考えられない。

さすがに恥ずかしすぎて、本当に主張したことはないが。
実際主張したらきっと、いろんなヤツにお前は自分を何様だと思ってんだとツッコまれること請け合いだと思う。俺の相棒は、めちゃくちゃモテるから。

そんなわけで、どうせ誕生日を祝うならせめてプレゼントくらいちゃんと選びたかった。なんでさっさと日にちを聞いておかなかったなんて、今ここで後悔してもすでに遅い。

今から四六商店やジュネス行って調達……とかもなんか嫌だ。ものすごく、間に合わせのような感じがしてしまう。
こいつはそれでもきっと喜んでくれるんだろうけど、俺が嫌なのだ。わがままだと言いたくば言え。反論はしないし、胸を張ってそうだって言ってやる。

そんなこと考えてたら、相棒がこっちに手を伸ばしてきた。

「ん」
「へ?」

右の手のひらがかろうじて上を向いた状態で、差し出されている。なんかくれって、そういう図……に見えないこともない、が。
そのワリには、位置が低い。たぶん、このまま手のひらの上になにかを置いたら、すべって落ちていくだろう。

大体、たった今誕生日を知った俺がプレゼントを用意してないことを、こいつは誰よりもよく知っているはずだ。なにをさせたいのかどうしても読み取れなくて、おそるおそる相棒の顔を見上げる。

不敵な笑みは、いつの間にか楽しそうな笑顔に変わっていた。

「手、繋いでくれ」
「……あの?」
「プレゼント」
「…………へ?」
「陽介からもらう誕生日プレゼントは、それがいい」
「そんなんでいい……なら、ほら」

差し出された手の上に、左手を乗せる。そのまま普通に相棒の手を握ろうとしたら、するりと指に指を絡められた。
うん、あれだ。これ、恋人つなぎってやつだ。
現実を把握すれば、一気に顔へと血が集まる。でも、振り払おうという気にはまったくなれなかった。
だってこれ、プレゼントだし。役得でしかないけど。
……いや、そういう意味でもいいのかこれで? 俺が嬉しいだけじゃないか。

「てか、これってプレゼントになんの?」
「もちろん」

そもそも、これくらい誕生日関係なくいつだって歓迎だ。むしろ、俺にとってはごほうびだ。
高校生男子ふたりが恋人つなぎで仲良く歩いてるとか、そんな光景に遭遇してしまった赤の他人にはご愁傷様としか言いようがないが、そんなものどうでもいい。
相棒がそうしたいって言ってくれるなら俺に否はないし、いくらでも提供する。でも、こんなありがたみがないものでいいのかなって気持ちがどうしても大きいわけで。
だけど。

「陽介からしかもらえないものだろ」

そう言って笑った相棒が、まるで宝物を見つけた子供みたいにきらきらした顔をしていたから。
――とりあえず今はこれで妥協しようと、必死で自分に言い聞かせた。

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