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#P4A Rank1 #01

アニメ設定の花村さん&鳴上くんで花主が成立するまでをアニメの流れに沿って書こうとしたら、どう見ても友情にしかならなかった話の1話分。アニメ1話時点に相当にする、小話です。
腐要素皆無で、とても健全です……。

地味に続きます。アニメ最終話まで。





「…………」

 学校の自転車置き場で、そいつはしばらくじーっとそれを見つめていた。

 ついさっき、ゴミバケツに頭から突っ込んでもがいていた俺を助けてくれた鳴上がただひたすらに見つめてるのは、俺が乗ってきた自転車だ。昨日、今日と立て続けに、それも盛大にコケたせいで、不吉な感じにギコギコいってるヤツだったりする。

 コケたときにぶつけたみたいで、フレームがところどころへこんでゆがんでたりするが、一応乗れないことはない。ただ、やっぱりゆがんでるせいもあって、まっすぐ進まないっていう難点もある。
 いや、昨日電柱に激突したのは、傘を持ったまま片手運転してたからだ。たぶんそうだ。そうに違いない。

 とにかく、そんなわけで俺の自転車は自分で言うのもなんだがボロボロだ。無言で、それも真剣にじーっと見入られるようなシロモノじゃない。黄色いから、けっこう目立つけど。

「鳴上?」

 だから思わず声をかけてみたら、鳴上はぱちりと一度大きく目を瞬かせてゆっくりとこっちを見た。

 よく考えたら、なんでこいつはわざわざ自転車置き場までついてきたんだろう。そこまで一緒に来た里中は、さっさと昇降口のほうに走っていったつーのに。

 いや、べつにそれが嫌だってわけじゃなくて、純粋に不思議に思っただけだ。
 鳴上はこの八十神高校に転校してきたばっかりだけど、里中と天城とは昨日一緒に帰ってたみたいだから、里中と一緒に教室行くもんだとばかり思ってた。

 ……ああ、でも、なんかこいつおとなしそうだしな。
 里中はかなりサバサバしててとっつきやすいヤツだけど、あれでも一応女子だ。もしかしたら、転校早々同じクラスの女子と並んで登校なんてしたら緊張するからとか、そんな理由で遠慮したのかもしれない。もったいねえな、相手は里中とはいえ。いやでもあいつ、友達としてつるむには悪くねえし。

 ──なんか、だいぶずれた。とにかく、俺がそんなイマイチ関係ないことを長々と考えている間、鳴上はずっと俺のことを見ていたらしい。たまに瞬きはしてるものの、その目力はなかなかすごかった。じっと見られすぎて、なんだか穴が空きそうだ。目つきそのものはあんまりいいとは言い切れないけど、アーモンド型の目にはやたらと力がある。

 視線に力があるって、ホントなんだな。俺、初めて知ったわ。

 とりあえず、無言でじっと見つめられているといたたまれないというか妙にそわそわしてくるので、なんでもいいから話を振ることにした。ひとまず、最初に疑問に思ったことを口に出してみることにする。

「や、その……それ、なんか気になってる?」

 そう言って俺が指差したのは、べこべこの自転車──もちろん俺の──だった。

 そういえば、名前を呼ぶまでは自転車に向けられていた視線が、そのまま俺に向けられていたような気がする。つまり、なんだ。俺は観察されていたわけか? まあ、昨日転校してきたばっかの鳴上にとって俺は未知の存在だろうから、観察くらいされて当然か。

 勝手にそうやって納得していたら、鳴上は俺に視線を固定したまま首を傾げた。

「趣味なのか?」
「へ?」
「これ」

 次いで、鳴上の視線が向いたのは、自転車だ。もちろん、俺の。

 自転車乗るのが趣味なのかってことか? べつに趣味ってわけじゃないけど、バイク買えるのは貯金残高を見る限りまだだいぶ先だろうし、それまでは家から学校までの通学時間を短縮しようと思ったら自転車に頼るしかない。歩くよりは早いし、そのぶんちょっとは遅くまで寝てられる。

 だから、べつに趣味ってワケじゃないけど楽だからと答えようと口を開きかけたら、鳴上に先を越された。
 しかも、視線が戻ってきている。たぶん五、六センチしか違わない背の高さのせいで至近距離からじっと見つめられて、思わずたじろいだところに直撃だ。

「壊れかけの自転車に乗るの」
「ちげえよ! 金がないから買い換えられないだけ!」

 そんな、冗談なんだか真剣なんだかさっぱり判別つかない、みごとなボケが。

 反射的にツッコミを入れてから、俺は自転車のカギをポケットの中に突っ込んだ。なんか自転車止めるだけのはずだったのに、すごい新世界を見た気がする。

 つーかだな、もしそんなけったいな趣味を持ってるヤツがいるのなら、一度お目にかかってみたい。とっさにそんなことが頭に浮かぶ程度には、俺の中にはない発想だった。

 「そうか」

 動揺してるんだか感心してるんだか我ながらよくわからない俺とは裏腹に、心から納得したとでも言いたげな様子で鳴上は頷いている。
 どうやら今さら確認するまでもなく、さっきの疑問は本気っていうか真剣っていうか、素だったようだ。助けてもらってからここまでの間しか一緒に喋ってないっていうか、ほとんど俺が喋るばっかりで鳴上はほとんど相づち打ってただけなんだけど、無口なくせにたまに口を開くと予想もつかないことが飛び出してくるらしい。

 なんか、びっくり箱みたいなヤツだ。外見はものすごく涼しげなイケメンなのに。

「…………」

 ──なんていうか。
 こいつ、けっこう変わってるかもしれないってのが第一印象になったのは、状況的に仕方がないと思う。

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